誤嚥性肺炎のお話
みなさん、はじめまして。
看護師の内山と申します。
わたしは10年ほど病院で働いていました。
医療療養病棟、回復期リハビリテーション病棟、ホスピスケア病棟を経て…
今年の4月にみいな訪問看護リハビリステーションに入職しました。
これまで様々な疾患や病状の患者様をみてきましたが、
今回は「誤嚥性肺炎」についてお話ししてみたいと思います。
”誤嚥性肺炎”とは?
みなさんはご存じでしょうか。
通常、食べ物が食道ではなく
気管に入ってしまった場合、
むせて気管から排出する反射機能が働きます。
しかしこの機能が鈍ってしまうと、
気管に入り込んでしまった食べ物を
排出できずに肺炎を起こすことがあります。
このように食べ物や唾液などが、
気管に入ってしまうことを”誤嚥”といい、
誤嚥が原因で起こる肺炎を”誤嚥性肺炎”といいます。
しかしながら、食べていなくても誤嚥性肺炎になる方もいます。
口腔内には常時、無数の細菌がいます。
主に寝ているときに、これらの細菌を多く含んだ唾液などを誤嚥して起こすものを
”不顕性誤嚥”といいます。
唾液は食事よりも気管に入りやすく、むせ込みの反射が起こりにくいです。
寝ている間、知らぬ間に肺炎にかかってしまう方もいるのです。
誤嚥性肺炎を起こすのは…
高齢の方…
脳梗塞後遺症をお持ちの方…
パーキンソン病など神経疾患を抱えている方が多いです。
また口腔内の清潔が十分に保たれていない場合には、
肺炎の原因となる細菌が繁殖して発症するリスクが高くなります。
…と少し怖いお話になってしまいましたが…
誤嚥性肺炎は早い段階で診断できれば…
入院せずに💊内服薬だけで治療することも可能な病気です。
いつもとちょっと様子が違う…
元気がない…
食欲がない…
呼吸が苦しそう…
痰が増えた…など異変を感じたら、
早めの相談が鍵🔑となるのです。
いつも通っている病院の先生への相談はもちろん、
訪問看護を利用している利用者さまであれば相談を受け、状態の確認に伺うことも可能です。
そのうえで、医療機関と連携を図り、適切な対応をとっていきます。
誤嚥性肺炎は予防する事も可能です🌸
①歯磨きを毎日欠かさない 口腔内の清潔を保つ
②すぐには横にならず食後は食べ物や胃液の逆流を防ぐ③身体を起こした状態で1~2時間ほど過ごすなど…それが予防につながるのです!また水分を摂るとムセてしまう…という方は
水分に少しとろみをつけたり、
水を飲むときに顎を少しクイっとひいた状態で
飲むと飲みやすくなることがあります。
日常でもできること…
少し意識を変えるだけで自分自身や大切な家族の身体を守ることにつながると思います。
皆さん、体調には十分留意してお過ごしくださいね。